景虎日記

無駄な考え、無駄なあがき、無駄な偏愛と偏見による電子書籍とWeb小説、その他もろもろの記述。

「恋は雨上がりのように」を読んで死にかけました

  どうも。俺だ。景虎だ。

  今日はとある漫画を読んで死にかけた話をしようと考えているのだが、その前になぜ死にかけたのかわかりやすいように俺の性分について幾ばくか説明しておこう。

 そう、キミは知らないかもしれないけれど、俺は基本的にラブストーリーというものを読まない事にしているのだ。なぜかと言うと、俺はラブストーリーというモノに対して耐性があまりにもなさすぎるからである。俺はこれをトキメキ虚弱体質と呼んでいるのだが、具体的には、シュタインズゲートをやって半年立ち直れなくなりグジグジしていたり、映画館で「時をかける少女」のアニメ版を見た帰りに空を見上げ「ああ、なぜ空は青いのに……なぜこんなにも……俺は色がないのか」と呟きながら人ごみの中に透けるように消え入ってしまうなどの症状が現れてしまう訳である。

  つまり、圧倒的なまでのラブストーリーを前にして、自らの腐った半生が走馬灯のごとくフラッシュバックしてしまうから、見ない事にしているという訳なのである。自己防衛本能なのである。

  そう、だから、ラブストーリーは見ない事にしている……はずなのだが、どうしても表紙の女の子が俺の心を掴んで離さなかったので、旋回式ブレーンバスターを叩き込まれるとわかっていながら読んでしまったのである。 (本作はプロレスとはなんら関係は無い)

恋は雨上がりのように(1) (ビッグコミックス)

恋は雨上がりのように(1) (ビッグコミックス)

 

 俺もファミレスの店長になるべきだったかな……。

   さて、そんな「恋は雨上がりのように」という漫画だが、物凄くざっくりと説明すると「はるか年の離れたファミレス店長に恋をした女子高生の恋模様を叙情的に描いている作品」なのである。

  ちなみにこのファミレス店長は、十円ハゲが出来ている上、やたら客にペコペコ頭をさげるダメダメなバツイチ男なのだが、ヒロインであり本作の主人公である「橘あきら」は、そんな彼を「あなたの魅力はあたしだけのもの」と言って憚らず、もうとことんゾッコンな訳である。

  もう、この設定だけで、「はーなんで俺ファミレスの店長にならなかったんだろうな……今から転職できるかな……もしかすると来世は……」と心底陰鬱な気持ちにさせられてしまう訳だが、勿論それだけで済むような漫画ではない。

  そう。この漫画のヒロインであるあきらちゃんはとことん純で恋に一直線に突き進んでいく訳なのだが、一方店長の方は本当に呆れるほどに鈍感で自己卑下の権化なのである。

 せっかく勇気を出して「好きです」と告白したのにも関わらず、「人間的に好きだ」と勘違いして「そっかーありがとう!」と返すなど、読んでいて非常に残念な男なのである。「馬鹿か!  死ね!  そして俺と代われ!」と何度叫んだことだろうか?

  また、彼女につきまとっている男子を勝手に恋人なのだろうと、勘違いしたりと、もう読んでいて殺意すら湧くくらい鈍感なのである。

  しかし、そんな苦境にもめげずに「好きですと告白したらありがとうと言われてしまいました」とヤフー知恵袋で相談するのである。はぁ、あきらちゃん、あきらちゃんなんでキミはあきらちゃんなんだ。もう……なぜ俺はこんな胸キュン漫画を読み始めてしまったのだろうか、大人しく人が死にまくる小説でも読んでればよかったのに。

  人生って本当に厳しいもんですね。(真顔)

 

読むべきだが読まないべき

   さて、もうこの辺にしておこう。なにせ俺の心は目の前で親を殺された子供並みに無茶苦茶になっているのだ。完全にPTSDである。「なんであきらちゃんがいないんだ。おかしいじゃないかそんなの。じゃあ、俺はどうやってこのボロボロになった心を癒せばいいんだよ!」とお布団の中で絶叫するレベルに人間として再起不能の域に達している訳である。そろそろお布団が「知るかよそんなこと」と言い出しかねないほど、そんな状況が続いている訳である。

  だから、もう、この作品について語るのは、やめにしておこう。本当にいい漫画なんですよ。なんか一名死にかけている人もいるけれど、本当にいい漫画なんですよ。俺はもう正直続刊が出ても読む勇気が出ないけどさ。懲りずに読んで死にかける可能性もあるけどさ。

  だぁ!  もうこの話終わり!

  さてと、いいかね?

  もしもキミもトキメキ虚弱体質なのだとしたら、読むべきではないと助言しておこう。

  少なくとも、キミがファミレス店長で、純粋な女子高生から愛されているという人生確変モードに突入しているような人物でないと、この漫画を読むのは非常に危険である。ラブに頭を滅多打ちにされて死んでしまうのが関の山である。だから、読むべきではないだろう。

  しかし、仮にこの助言を無視して既に読んでしまっているのだとしたら……なんだ。

   まぁ、絶望するな。では、失敬。  

 

 

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