景虎日記

無駄な考え、無駄なあがき、無駄な偏愛と偏見による電子書籍とWeb小説、その他もろもろの記述。

なぜ大学教授が参入すると電子書籍の未来が変わると言えるのか?

 どうも。俺だ。景虎だ。

 今回はつい先日Twitter上でつぶやいていた持論について少しばかり掘り下げたエントリを書いていきたいと思っている。

 ズバリ、それは大学教授が電子書籍出版に参入すると、ようやく電書元年というものが本当に訪れるのではないかという話である。

 キミは電書元年という言葉をなんども聞いて、そろそろ飽き飽きしていることだろうけれど、これの「大学教授が参入すれば」の話はそれほど夢見がちな話でもないので、真面目に聞いていただけるとありがたい。

 それでは、始めたい。

 なぜ、大学教授が参入すると電子書籍の未来が変わるのか、その未来予想図について幾ばくか妄想を垂れ流していくとしよう。

 

大学教授が参入するとなぜ電子書籍の未来が変わるのか?

http://www.flickr.com/photos/78305168@N00/2236690956

photo by Prabhu B Doss

 これは、あくまでも俺の持論でしかないのだが、今電子書籍の普及の足かせとなっているのは、紙支持派が多いからということではなく、単純に快適な読書体験が味わえるリーダーをほとんどの人が持っていないということなのではないかと思うのである。

 特にKindleやKoboのリーダーといったものは読書に特化された良いリーダーだと思うのだが、わざわざそれを買いたいと思うほどのインセンティブがどこにも働きようがないと思っているのである。すなわち、ほとんどの読者はそれをスマートフォンなどのアプリから読むしかないわけだが、それでは快適な電子書籍の読書体験とは言いがたいだろう。

 つまり、快適に読むことが出来る電子書籍用リーダーの普及自体が、電子書籍元年が本当の意味で到来するためには不可欠だという訳なのである。

 ではそれはどうやって実現することが出来るのか?

 ずばり、それは大学という一種の強制力の働く機関によって成し遂げられるのではないかと俺は思っているのである。

 

 

電子辞書ってもってる?

http://www.flickr.com/photos/90151774@N00/2325013471

photo by tripu

 時に訪ねるが、キミは電子辞書を持っているだろうか?

 多分、持っている人がかなり多いのではないかと俺は睨んでいるのだが、おそらくその中のほとんどが、大学の授業で必要だから買ったという人なのではないだろうか?

 そうである。大学の授業は学部にもよるが、辞書がかならず必要になるといったところが多いように思えるのである。ただ、重たい紙の辞書を毎日毎日通学の度に持って行くのは正直心が折れるし、その上値段も馬鹿にならないくらい高いということもあってか、結果としてほとんどの人が紙の辞書ではなく、電子辞書を選んでいるということになるのだろう。

 もちろんこれは、しっかりとしたデータを出していない話であるから、実際に大学生の間では紙の辞書の利用者の方が多かったなんてこともひょっとするとあるかもしれないが、少なからず自分が観測した範囲では電子辞書が多かったような気がしてならないのである。

 このように電子辞書の場合は「それが無くては卒業できない上に、紙だと重いしめんどくさい」というインセンティブが働いており、結果として、ほとんどの人が、紙の辞書を全部そろえるということよりも、電子辞書を買った方が良いというながれになっているという訳なのである。

 つまり、これは電子書籍のリーダーにも同じことがいえるという訳なのだ。

 電子書籍リーダーがあれば、多くの教科書やテキストを持ち歩く手間がなく、本文無いの検索も出来るから、予習復習にも便利である。通常の書籍と変わらずメモなども挿入することが出来るから、それほど、電子書籍ではダメだという理由もなかなか見つからないだろう。

 という訳で、大学にて教科書の電子書籍化が進むと電子書籍リーダーが爆発的に普及していき、結果として電子書籍の未来が変わっていくということなのである。

 

Kindle Paperwhite (ニューモデル) Wi-Fi

Kindle Paperwhite (ニューモデル) Wi-Fi

 
Kobo N905-KJP B

Kobo N905-KJP B

 

 (現在電子書籍リーダーはKindleとKoboが強いが、大学教授が参入し始めた時点で、学生モデルのサイズの端末がでるのではないかと思っていたりする。)

 

 

だけど、大学教授が電子書籍化するだろうか?

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photo by Canadian Pacific

 そう、ただしここには、大学教授が教科書を電子書籍化するかどうかという重要な問題があったりするわけなのである。一般的にはよく知られていることだと思うが、大学教授たちにとって、この教科書販売というものは一種の同人誌即売会のようなものであり、それ自体が一種の定期的な収益となっているということもあるのである。

 だからこそ、「あえてその上手くいっている図式をよくわからない電子書籍などというものに変えるだろうか?」という疑問がキミの中にはあるのだろう。

 しかし、これもどうやら俺自身は変わっていくのではないかと睨んでいるのである。

 

オフセット教科書を頒布している教授がいた

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photo by danielfoster437

 これは俺が大学時代の話になるのだが、ある教授が自分の教科書にオフセット印刷したものを使っており、その教科書の販売をちょうど教室内で行っていたのである。

 一冊1000円で販売されていたその教科書だが、いったいどの程度印刷コストがかかっているのか? 俺は気になったから教授に尋ねてみたところ、150円くらいだよと回答が返ってきたのである。

 さて、それではおおざっぱに計算してみよう。一冊1000円で原価が150円となると実利益は850円である。5000部刷ったと仮定してみると、初期投資として必要な金額は750000円ということになり、そして、全学部必修科目であるとすると生徒数は3000人いるということだから、一年で3000000円の利益が確定しているということになるだろう。

 初期投資費を引くと、2550000円もの利益が出ることとなる。

 まさに破格の利益である。

 出版社から出してしまっていたら印税云々のこともあってこうはならないだろうかと思うが、教科書に関しては絶対に売れると決まり切っているので、同人でやった方が儲かると踏んだのだろう。実に賢い選択である。

 ただ、ここにはもちろん初期投資費用がかかるという難点があるわけだ。

 そして、印刷したものを自分で管理して、運ばなくてはいけないという労力もかかるだろう。

 また、3000部毎年売れるといってしまったが、同じ内容の教科書であれば、先輩から後輩へと引き継がれてしまったり、また古本屋などで売られてしまうという可能性もなきにしもあらずなのである。

 そう考えてみると電子書籍というものはものすごいアドバンテージを持っているという訳なのである。

 印刷のコストはかからず、そして印税率も高く、さらには印刷したものを管理しなくてもよく、また流用されたり、古本屋で売られてしまう可能性が絶対的に消えるからである。

 大学教授がその旨みに気づけば絶対乗ってくる

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photo by Viewminder

 そうである。今大学にて教鞭をとっている教授たちが軒並みこの電子書籍というものの旨みというものに気がついたならば、まず間違いなく、教科書の電子書籍化が進むであろう。

 そして、その流れから必然的に、大学に入学したら読書専用リーダーを購入しなくてはいけないという流れになるだろう。

 無論、先輩から後輩へと教科書を譲ることなど出来ないから、確実に頒布部数は生徒数で固定されるという訳なのである。

 これはボロい商売だぜ!

 と気づかれた大学教授の方もいるかもしれないが、本当にこれは近いうちにノウハウが大学教授内へと広まるにつれて実現しかねないと俺は思っているのである。

 そして、電子書籍リーダーの購入を半強制的に強いられた学生たちは、その後もそのリーダーを使ってあれやこれやと電子書籍を買うようになると、そういう訳なのである。

 

 つまり、大学教授の参入によってリーダーが普及すると、電子書籍利用者が爆発的に増えるという話なのである。

 

 

 

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 どうだろうか? 少しは現実味がある話だと思わなかっただろうか?

 もちろんAmazonやKoboなどがそのうち大学向けに営業をし始めるという流れはおそらく近いうちに起こるだろうと予測されるし、もちろん電子書籍化を代行するサービスなども学校向けにやっていくところが増えていくのだと俺は少なくとも考えていたりする。

 これを妄想だと断じてしまうのは実にたやすいことだけれども、キミがもしも少しでも未来を見目があるのであれば、「そういう可能性もあるかもしれない」と納得していただけなのではないだろうか?

 と、いうわけで、俺は早いところ大学教授たちには電子書籍の旨みについて気がついてほしいと思っているのである。もちろん学生たちだって重たい教科書を毎日もって通学しなくてよくなるから実に楽になるだろう。

 決して、電子書籍リーダーが普及してKDP作家たちに莫大な利益をもたらすだろうとは断言は出来ないけれど、少なからず、大学教授が参入すれば、電書の未来は大きく加速して行くに違いないと、俺は思うのである。

 

 だから、早く今のうちにKDPで本を出しておけ。

 

 大学教授たちが参入してから、KDPでは遅すぎる。

 

 急げ、俺。

 

 そして急げキミよ!

 

 電子書籍普及の未来は待っていてはくれないぞ!

 では、失敬。

 

電子書籍を無名でも100万部売る方法

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 (これを読んで一人出版社を今日から初めてみるといいだろう。俺もやるぞ。)

 

 

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