書き手なら「名作コピーに学ぶ読ませる文章の書き方」を読むべきだ!
どうも。俺だ。景虎だ。
俺は常日頃短いテキストで人の心をいかにつかめるかといった事ばかりを考えていた。なぜそんなことを考えていたかというとそれはひとえにキミをもっと面白がらせられるブログや文章を書きたいと思っていたからだ。
キミ、俺の文章は伝わっているかね? 響いているかね?
俺はキミの中に印象を残すことが出来ているだろうか?
そんな自信のなさから手に取った本が今回タイトルに書いてあるこの「名作コピーに学ぶ読ませる文章の書き方」という本になるわけである。
これが本当に勉強になった。よく駅や電車の中で見かけるような広告、その中にある短く、そして印象に残る言葉、コピー。実際にその現場に40年携わった作者が書いているだけあって、これは本当に役に立つ内容になっていた。
特に、小説やブログなどを書いているキミには是非とも読んでもらわなくてはならない一冊になっているのである。
それでは、そんな本書「名作コピーに学ぶ読ませる文章の書き方」について少しばかり紹介していくとしよう。
具体的に何が素晴らしいのか?
この本の本当に良いところは、実際に俺やキミの中に印象として残っているであろう広告をベースに解説しているという部分よりも、それ以上にどうやって印象に残る文章を書けばいいのかと、コピーライターという視点から徹底的なまでに煮詰めている所になるだろう。
特に冒頭の始まりが上手い。
詩人アンドレ・プルトンがとある物乞いに一つのアドバイスを行い「私は目が見えません」という看板を書き換えさせた事によって、お椀に雨あられの如くコインが降り注ぐようになったという話が冒頭にあるのだが、実際にどのように書き換えたのか?
ネタバレになりそうだから、嫌らしくもここではその回答を伏せるが、本当にわかりやすく、そしてコピーの大切さがわかる喩えになっているのである。
是非、キミには本書で確認して頂きたいと思う。
ありふれた言葉では埋もれる
特に最近のネット界隈では、嫌になるほど言葉に満ちていると言っていいだろう。
まさに前述した物乞いの話のように、非常に多くの人が看板を掲げ、お椀を携えている訳である。ネットという世界にはお椀と看板を掲げた多くの人が立ち並んでいる。
その中で埋もれないためには、やはり強く、印象に残る言葉が必要だと俺自身思うのである。
無論、キミは「お金の為に書いている訳ではないし、誰かの評価の為に書いているわけではない」などと言うのかもしれないが、ネット上に公開するという事は即ち、何らかの取引に参加していると言ってもいいのではないだろうか?
昔、禅僧をやっている知人から「この世界は取引に満ちている」「自分が何かをしたことによって何かが起ると少しでも思っているなら、それは取引である」「呼吸できればそれでいいと思う心境で無い限りそれはすべて取引だ」と有り難いお言葉を頂いた事があるが、ネットに文章を上げるということは即ち、誰かに読まれることを少なからず期待していると言ってもいいのではないだろうか?
もしも、キミがお椀も看板も持っていない、取引などしていないと高らかに宣言したとしても、ネットに文章をアップしている以上は、しっかりとお椀と看板が、背中に張り付いている訳である。
乞食である事を認めて看板を書き換えよう
さて、話が逸れたような気もするが、要するに「ありふれた言葉ではいけない」「人の印象に残る言葉を」「感情を揺さぶる言葉を」「正論に訴えかける言葉を」といった人を振り向かせる事が出来る看板が、我々ネットに住まう乞食たちには必要になってくるという訳である。
これは本当に難しいことではあるが、しっかりとやり方を解説してくれているので、今までは振り向いてもらえなかった人も、この本を読めば少しは金貨の恵みにありつける事だろう。少なくとも俺はそう信じたい。
文章がうまくなるコピーライターの読書術(日経ビジネス人文庫 ブルー す 4-2)
- 作者: 鈴木康之
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2010/05/07
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さてと、今回はキャッチコピーもといコピーに関する本を紹介してみた。俺自身、力強く、印象に残る言葉を書こう、書かなければと様々な模索を繰り返していたが、この本を読んでみて、今までやってきたことが、少しばかり見当違いだったと思い知らされたものである。
そして、もしもキミが書き手で、何かしらの文章をネットにアップロードしているのであれば、この本もその乞食活動の助けに少しばかりはなるだろうと思って止まないのである。
だから、キミもそろそろ自らが立派な乞食であるということを認めて看板をアップデートしてほしいのである。
さて、その稚拙な看板で、人は振り向いてくれているかな?
以上だ。では、失敬。
(もしも書きあぐねているのであれば、こちらの記事も役に立つかもしれない。役に立てばいい。少なくとも俺はそうなるように祈っている)