平成生まれの俺が「学問のススメ」をオススメする理由
どうも。俺だ。景虎だ。
今回のブログ記事では、あの一万円札で知られる福沢諭吉が 書いた「学問のススメ」について色々と書いていこうと思うのだが、時にキミはこの学問のススメを既に読んだことがあっただろうか?
実のところ俺は、最近になるまでこの「学問のすすめ」を読んでこなかったのである。そもさん福沢諭吉に対して「一万円札のあの人」といったイメージしかなく、具体的にどんなことをやった人なのか、また、どんな考えを持っていた人なのかといった部分について全くの無頓着だったのである。
ひょっとするとキミもそうかもしれない。
と言うことで、今回はそんなよく見ているけれどよく知らないかもしれない福沢諭吉と学問のすすめについて語っていくとしよう。
準備はいいだろうか? それではいってみよう!
書き出しについての大きな誤解
俺も長い間、福沢諭吉の書いた学問のすすめの書き出しについて多くの誤解をしてきた。おそらく、キミも知っているであろう。「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」という奴である。
わかりやすく言うなれば、「人類は皆平等」という奴なのだが、おそらくキミも「人類が平等なわけあるか」と思っていることだろう。実のところ俺もそう言った反感からこの学問のすすめを読んでこなかったのである。
しかし、いざ開いて読んでみるとこれが全くの間違いだということに気がついたのである。原著から正しく引用すると「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずといえり」と書いてあるのである。
人類は平等ではない?
つまりわかりやすく言うと「人類は皆平等と言うけれど」という意味になる。
ここで賢いキミは「おっ、これってひょっとして」と気がついたかもしれないが、つまり、この文脈の流れから言うと、福沢諭吉先生は決して「人類は平等」などと思っていない訳である。むしろ、「人類は平等だと言うけれど、なぜ現実では平等ではないのだろうか?」という流れになってきているのである。
まだ学問のすすめを読んだことがないキミも、ひょっとすると「なるほど、だから学問のすすめなのか!」と気がついたことだろう。そう、つまり人類が平等でない理由は学問を努めるか否かによって変わってくるということをこの冒頭で言いたかった訳なのである。
そして、その後には勿論学問とは何なのかについても書かれている。
こういった部分を多くの人がひょっとすると誤解したままになっているのかもしれないが、俺のように早めにそう言った誤解を解いて、福沢諭吉先生について知っていくといいのだろう。
いやぁ、本当に酷い誤解をしていたものだよ。
実は広告を日本に広めたのも福沢諭吉
そう、実のところ日本に広告というものを広めたのも福沢諭吉先生なのである。
これは明治16年に彼が運営していた新聞社である時事新報の社説に「商人に告るの文」という「なぜ商人が新聞広告をするべきなのか」について書いたのが始まりなのだがなのだが、もう本当に当時の日本人の数千手先を読んでいた人であったのである。
俺は少なからず、昔の人に対して「頭が凝り固まっている過去の遺物」という様なレッテルを貼るきらいがあったのだが、福沢諭吉先生に関して言えば、今読んだとしても真新しい発見がいくつも出来るようなものが多く、その慧眼には本当に感服せずにはいられないのである。
学問のすすめは狭い学問の著ではない
photo by Skokie Public Library
さて、話が横道にそれたから本道に戻そう。そう、この学問のすすめという本は、決して狭い学問のことや、凝り固まった古い概念について語っているものではなく、学問について非常に新しい見方を提示しているものだといってもいいのである。
無論それは、「後世の人がこの本から何を学んだのか?」「どう学んだら今の学校教育という体たらくが出来上がるのか」といった憤りにも繋がるのだが、だからこそ、今こそこの学問のすすめを読んで、学問とは何なのか、勉学とは一体何なのかといった視点の調整を行うべきだろうと俺は思ってやまないのである。
誤解を抱いていた人は絶対に読むべきだと言えるだろう。
まずはエッセンシャル版を読もう
さて、では読んでいこうかとなるわけだが、いきなり原著をばりばり読んでいくのはかなりハードルが高いので、まずは水上基地氏が出している「学問のすすめ」のエッセンシャル版を読んでみるといいだろう。これが非常に要点をまとめている名著だったりするのである。
(人によっては要約に難があると思ってしまうかもしれないが、そういう人は原著を読むといいだろう)
これで、まずは大まかに学問のすすめがなんであるかについて興味を持ってみるというのがいいだろう。値段も安いし、当然買いである。プライム会員なら無料である。
無論、「長ったらしい文章を読むのが嫌いだ」という人ならば漫画版もオススメである。
- 作者: 福沢諭吉,バラエティアートワークス
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
- 発売日: 2008/03/01
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この漫画に関しては学問のすすめについてというよりかは福沢諭吉先生の人生について記したものなのではあるが、これまで福沢諭吉に対してあんまり良いイメージを持っていなかった人にとっては新たな発見がある本だといっていいだろう。
読んでみたまえ。
次に学問のすすめの全文を読もう
さて、エッセンスを味わったらいよいよ全文を読んでみるといいだろう。学問のすすめに関しては色々と読んでみたわけだが、個人的にオススメしたいのが下の一冊である。
これは現代語に訳されたもので非常にわかりやすい本になっている。
一つ難点を上げるのであれば、福沢諭吉の文体というか、リズミカルな妙が消え去っているという点が上げられるのだろうが、そういう部分が気になる人は原著を読んでみるといいだろう。
言っておくが原著も決して読みにくい訳ではない。むしろ、福沢諭吉の軽妙な文体を楽しめるという意味合いでは、現代語訳版よりはむしろこちらを読んでみるべきだという意見もあるであろう。
本当に文学者としても優れていたのだろうなと不遜ながらも思ってしまう名著であった。
さて、そんな訳で今回は福沢諭吉の学問のすすめについて色々と書いてきた訳だが、いかがだっただろうか?
俺のように「古くさい過去の遺物だ」などと誤解をしている人がいたならば絶対に読むべき本だと思っているし、無論キミも新たな視点を持つことが出来るだろうという意味合いでは絶対的に今読んでみるべき本だと言えるだろう。
むしろ、本著を読んでいて「今現在の人は、そして少し前の時代の人は福沢諭吉から何を学んだのか?」と憤りすら感じ始めてしまうかもしれない。彼の視点も思想も今現在にしっかりと生かされているかと考えてみたときに、どう低く見積もっても出来ていないと思ってしまうからなのである。
だからこそ、俺と同じ平成生まれのキミも、また同じくらいの世代のキミも、本著を読んで、凝り固まった常識や理念の殻を脱ぎ捨てて、一段階賢くなってみるのも悪くはないであろう。
当然「なぜ勉強をしなくてはならないのか」という疑問を持っている子供にも本著はオススメであろう。非常にわかりやすく学ぶ理由についても書かれているから、大人になる前に読ませておくといいだろうと、俺は思ってやまない。
以上だ。ともかく、これ以上年を食う前に読んでおくべきである。
では、失敬。