景虎日記

無駄な考え、無駄なあがき、無駄な偏愛と偏見による電子書籍とWeb小説、その他もろもろの記述。

今週の俺本「可愛い顔してグサリと刺さる6冊」

 どうも。俺だ。景虎だ。

 今日も今週読んだ本について紹介していく。

 その名も「可愛い顔してグサリと刺さる六冊」である。

 正直な話、「それって表紙買いしただけなんじゃ……」と言われかねないセレクションだが、まぁ、そんなに悪い作品ばかりではなかったから、興味が向いたら読んでみるのもよかろう。特に「なれる! SE」はSEのみならず、クライアントワークな人には全力でオススメしたいと思っている。

 

 クライアント「これを読んでみんなで死のう!」

 景虎「死のう!」

 

 ……それでは本の紹介を始めよう。

 1.なれる! SE 2週間でわかる? SE入門

なれる!SE 2週間でわかる?SE入門<なれる!SE> (電撃文庫)

なれる!SE 2週間でわかる?SE入門<なれる!SE> (電撃文庫)

 

 「なれる!SE! よーしシステムエンジニアになるぞー!」というテンションで読むと「あれ、これってブラック企業? いやそんなはずはないこんな可愛い子が上司ならブラックじゃない……はずだ」と混乱間違いなしな作品。関係ないが読破してから、タイトルを見ると乾いた笑いが漏れる。なれるって……。慣れるなのか?

 可愛いロリ上司と楽しくデスマーチしたいなら買い。古傷が開きそうな人はやめておいた方がいいかと。ちなみに今週の俺のベストヒットはこれ。血涙を流しながら楽しく読めました。あとググれカスは真理。

2.あるゾンビ少女の災難

あるゾンビ少女の災難I<「あるゾンビ少女」シリーズ> (角川スニーカー文庫)

あるゾンビ少女の災難I<「あるゾンビ少女」シリーズ> (角川スニーカー文庫)

 
あるゾンビ少女の災難II<「あるゾンビ少女」シリーズ> (角川スニーカー文庫)

あるゾンビ少女の災難II<「あるゾンビ少女」シリーズ> (角川スニーカー文庫)

 

 昔見かけた時は「茶色の表紙にグロテスクな帯が付いている小説」だったのだが、何故か可愛い女の子の表紙になっていたので試読。「おー。萌え萌えギャグな感じなのかー」と油断していると突如登場人物が虫けらのように殺害されたり、突如シリアスな展開になったり、やっぱりギャグだったりと安心して読めない作品。個人的には凄い好き。

3.ちーちゃんはちょっと足りない

  「あーなんだ。劣化『よつばと!』みたいな感じなのね」と斜に構えて読んでいると中盤辺りでぐさりと刺されてしまう作品。可愛さとほのぼので包んだ猛毒。お金を払って嫌な気持ちになりたい人は是非読むべきである。

 

4.橙は、半透明に二度寝する

橙は、半透明に二度寝する(1)

橙は、半透明に二度寝する(1)

 

 表紙の時点で「あれっ?」とは思っていたが、やはり可愛い猛毒だった模様。基本グロとナンセンスと可愛いで構成されている作品だが、ラストでもれなくじんわりと変な気持ちにさせてくれる短編集。

 特に潜水艦の話のラストに関しては、かなり心がざわついた。

 

5.絶深海のソラリス<絶深海のソラリス>

絶深海のソラリス<絶深海のソラリス> (MF文庫J)

絶深海のソラリス<絶深海のソラリス> (MF文庫J)

 

  序盤ののほほんとした日常パートで安心しきっていると、急にパニックホラーになるというラノベだと思って読んだら非常に危険な作品。「絶望率100%」などと大仰なキャッチコピーをつけてはいるが、それに恥じないぐらいラストがヤバイ。というかこれMF文庫? 本当に? 担当編集者よくオッケー出しましたね? どういう読者層を想定してこの本出したの? 俺? 俺なのか?

 そっかー。

 

6.BG、あるいは死せるカイニス

BG、あるいは死せるカイニス (創元推理文庫)

BG、あるいは死せるカイニス (創元推理文庫)

 

  人類が皆女性で、その中から条件に当てはまったものだけが男性になることが出来、優遇されるという世界観。破天荒な設定ながら静謐な筆致で読ませるミステリ小説。表紙の女の子が可愛いから買ったのに、思いの外化け物じみた作品にあたったので当惑している。ただし、犯人の犯行動機に関しては若干賛否が別れると思われる。

 

おまけ.トライメライ - 夢魔のイデア -

トライメライ - 夢魔のイデア - (StarGazer)

トライメライ - 夢魔のイデア - (StarGazer)

 

  結論から言うとこれは小説ではない。同人小説でもない。小説という媒体の中にヴィジュアルノベルを押し込んだようなとても不思議な作品である。作者もこれを「ビジュアル小説」と称しているが、その目論見は半分以上成功していると見ていいだろう。

 冒頭の陰鬱な入りは、個人的にものすごく好きだし、ヘッドマウントディスプレイによる拡張現実を上手いこと物語に組み込めていて面白い。

 たが、やはりこの作品は「ノベルゲームとして遊びたいな」とどうしても思ってしまうのである。「epubでイラスト上に上手くテキストをレイヤー化出来ないだろうか」などと考えてしまうあたり、まだまだこの表現に慣れていないということなのだろう。

 

まとめ

 今週の俺本ベストはもう冒頭でも述べている通り、なれる! SEだ。

 

 なろうぜ! SE!(しめやかに吐血)

 

 さて……実のところ俺自身SEという職業に就いたことはないので、実際問題この作品に書かれていることがどこまでが現実でどこまでが「茶目っ気」なのかさっぱりわからなかった。読めば読むほど、筆者自身の経験したことなのかもしれないとも思えるし、逆にやめた後だからこそ誇張して書いているという可能性も捨てきれない。

 きっと実際にSEとして働いている人ならその真偽について詳しく知っているのだろう……。あんまり確認する気にはなれないが……。

 どちらにせよ、だんだんと飼いならされ、調教され「SEに慣れていく」主人公を見ていると、ドナドナされていく子牛のようで可哀そうでならないのだが、だがしかし、もしもこんな可愛い女の子が上司なら……上司なら……。

 

 主人公が骨を拾ってもらえるのかどうか、最新刊まで読んでから考えることにする。

 

 では、失敬。

 

なれる!SE 2週間でわかる?SE入門<なれる!SE> (電撃文庫)

なれる!SE 2週間でわかる?SE入門<なれる!SE> (電撃文庫)

 

 

なれる!SE2 基礎から学ぶ?運用構築<なれる!SE> (電撃文庫)

なれる!SE2 基礎から学ぶ?運用構築<なれる!SE> (電撃文庫)