景虎日記

無駄な考え、無駄なあがき、無駄な偏愛と偏見による電子書籍とWeb小説、その他もろもろの記述。

「原始乙女と神の塔」をキミはもう読んだかね?

 どうも。俺だ。景虎だ。

 今回は少し前にTwitterで褒めていたマンガについて書いていくとしよう。

 そう、俺が今キミに超絶オススメしたいマンガ――それが「原始乙女と神の塔」という作品なのである。

原始乙女と神の塔

原始乙女と神の塔

 

 前時代との歴史の連続性が絶たれてどうなるかという話は、個人的にもの凄く想像力をくすぐられるSF的モチーフであるとは思うのだが、本作「原始乙女と神の塔」では、「オタカラ」という一種のスーパーアイテムとしてギャグテイストに取り扱われているのが非常に興味深いのである。

 こうした歴史断絶物は比較的暗い話になりがちだが、この「原始乙女と神の塔」では非常に明るく、そして可愛いキャラクターとともに描かれているのである。

 それでは、そんな「原始乙女と神の塔」の魅力と歴史断絶物という物についてしばし、語っていくとしよう。

 キミも是非まだ未読なのであれば安いのでチェックしてみてくれたまえよ!

歴史断絶物として外せないのはやっぱりこれ

 そう、歴史断絶物のSFとしてやっぱり外せないのはこの一作ペイルコクーンだろう。

 これはアニメーション作品ではあるが、記録を発掘していくというその巧みなアイディアと映像美で魅せてくれる素晴らしい作品だといえるだろう。

ペイル・コクーン [DVD]

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 しかし、この作品ではラストシーンにて希望が見える物のやはり全体的な空気感としてはもの凄く暗いイメージがつきまとう作品になっているのである。

 どうしても歴史が断絶されたというテーマを扱う以上はそうなっていくしかないのだろうと俺は少なくとも思っていたわけである。

しかし、原始乙女と神の塔ではそれがない

 しかし、この原始乙女と神の塔ではそういった暗さという物が全くと言って良いほど無く、過去の遺物をオタカラといって「狩猟生活をおくっている原始時代の少女達が利用する」という話なのである。

 軒並み明るい上に、ストーリーの語り口も非常に上手く、若干「王道すぎやしないか?」とも思えるが、読んでいて熱くなるシーンが盛りだくさんなのである。

 本作はオムニバス形式になっており、主人公がその物語毎にことなってくるのだが、特に第一作目の『狩りで役立たずの「キシン」と狩りの達人「ユーノ」のオタカラを巡る旅の話』が好きなのである。

 なぜ、皆に見える神の塔がキシンにだけ見えないのか?

 なぜ、キシンは狩りが下手くそなのか?

 最後まで作品を読むとそうした小さな謎が気持ちよく解けるように出来上がっている。

 そうしたささいな物がすべて伏線として一つに繋がっているという所も、この作品の見所であり、それに関してはこの俺も手放しに拍手喝采をおくりたい気持ちにさせられたのである。

 

原始乙女と神の塔

原始乙女と神の塔

 

 

オタカラを巡る話がいちいち面白い

 他にもチャッカマンを拾った原始乙女達の話も面白かった。

 なぜ、チャッカマンを飼おうという発想になるのかと俺は笑いながら見ていたが、そういった道具に頼っていくことによって、どういった結末に陥るのかと言うのが、先が見えていたとしても、実際にその顛末を見ていくのが非常に楽しい。

 当然、賢いキミのことだからストーリーの展開がおおよそ想像出来たかもしれないが、アホな原始乙女達が、「死んでしまった!」といいながらチャッカマンをいじくり回すのが本当にニヤニヤニヤニヤできてしょうがない。

 こうした、歴史断絶によってどのような事が起るのかといったモチーフは是非自分も、書きたいと思っていたものではあるのだが、この「原始乙女と神の塔」のように安心して読めて、そして時に熱く、時にニヤケさせ、時にウルウルとさせるものを描くのは決して簡単な事ではないだろう。

 それだけに、この作品から学び取った物を生かして俺もどうか、こんなニヤニヤできるハッピーに満ちた歴史断絶物をいつか書いてやりたいと思う次第なのである。

 それだけ、読者の妄想をくすぐる作用が、本作品にはあると言っていいのだろう。

 まだ、持っていないのであれば、是非とも買って読んでみるといいだろう。

 

 

原始乙女と神の塔

原始乙女と神の塔

 

 

 

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 さて、今回は「原始乙女と神の塔」というマンガについて紹介してみたぞ。

 これが本当にお値段以上に楽しめる非常に素敵な作品になっているのである。俺もこんな話を書いてみたい。いや、俺ならこう書くだろうみたいな想像力がブワーと頭の中で広がること間違いなしの一品である。

 だからこそ、キミも是非本作を手にとって読んでみて、あれこれと想像を巡らせてみて頂きたい。もしも、歴史の連続性が途絶えたなら、一体いかなる世界がそこにはあるのだろうかと。

 どうか、そこは優しく明るさに満ちた世界であって欲しいと俺は願ってやまない。

 では、失敬。