悪魔が囁き俺に「それでも世界を崩すなら」を読ませるまでの顛末
今週のお題「人生に影響を与えた1冊」
どうも。俺だ。景虎だ。
突然ですまないが、キミは運命を信じるかね? そして神を信じるかね?
俺は両方信じている。そして運命というモノはブラックジョークに満ちていて、その神という奴はかなり悪趣味だと心の底から思っている。そして俺はそれに関して今、心の底から憤っている。
さてと、何故俺がこんな事を言い始めるのか、その事情をまずお話ししよう。
俺が「それでも世界を崩すなら」という漫画を読むことになり、それに何故憤っているかについてである。聞きたまえ! そして神よ速やかにくたばれ!
神様は伏線を張るのがお好き
俺は神様を信じている。何故なら、ソイツは相当に悪趣味で、人の人生を弄んでウィットに富んだジョークを生み出せると信じているからだ。本当に殺意が沸く。
キミも知っていると思うが、俺には友達がいない。携帯のメールにはダイレクトメールと迷惑メール、仕事のメールくらいしか飛んでこないし、電話帳さえろくに登録していない。そしてLINEもやっていなかった。姪っ子に「そんなことだと仲間はずれにされるよ」と言われ、最近始めたのだが、俺は結局の所、仲間はずれにしてくれる仲間さえどこにもいなかったのだと憤った。
そして、仕方なく本を読むことにしたのである。今月読んだ本は数多くあるが、それはまあ良いだろう。良い本ばかりだった。
だがしかーし、俺はこの「それでも世界を崩すなら」を読むまでとその後の顛末について酷い仕打ちを受けたことに関しては流石に断罪させて頂く事にさせて頂く、神よ速やかにくたばれ。俺は許さないぞ、絶対に許さない、断じて許さないぞと!
はぁ、はぁ。
そう、俺の神様は伏線を張るのが相当お好きなご様子なのである。
アマゾンのオススメレビューに「それでも世界を崩すなら」を散々表示させ、ブックウォーカーのサイトをなんとなく覗く際に「それでも世界を崩すなら」のページにたどり着くように恣意的に誘導していたのである。勿論俺は買わなかった。
買わないと知るや、最近舞い込んできた仕事で、ガリレオガリレイの事を調べるように仕向けたのである「それでも地球は回ってる」だ。そんなまどろっこしい伏線があるか! くたばれ! 勿論俺は買わなかった。
すると今度は仕事の同業者から「それでも世界を崩すならって漫画読んだ? 面白いよ!」と勧められるわけである。いい加減にしろ。読むかそんなもの! 勿論俺は買わなかった。
すると更に、電車で向かいに座っていた女性が偶然その漫画を読んでいるわけである。やめろ、やめろよぉ……。勿論俺は買わなかった。
すると、本当に実に偶然極まりないことだが、俺の行きつけの喫茶店に赤べこが飾ってあったのである。何故赤べこ? 何故? なぜなぜなぜ? 俺はアマゾンで例の本を探して合点がいった。
それでも世界を崩すなら (少年チャンピオンコミックス・タップ!)
- 作者: 陸野二二夫
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2015/08/07
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (1件) を見る
「おい、いい加減にしろ。もう読むからやめてくれ!」などと、俺が折れるまで、伏線を嫌がらせのように張り続けるのである。おそらくキミはそんなの偶然に過ぎないと思うかもしれないが、俺は自分の人生の中でこれに似た状況に数多く遭遇している。自分が自分の意識で選んだはずのモノが後で「あの伏線と繋がっていたのか! クソが!」となることなど日常茶飯事だ。だから言っただろ、悪趣味だって。本を選ぶセンスはあるのだろうが、やり方が汚いのである。
こうなると、もはや俺は信じないわけにはいかなかった。毒づかない訳にはいかなかった。これっぽっちもセンスを持ち合わせていない悪趣味な、俺の人生やら運命やらを書き上げている非人道的な神の存在について!!!
そして、結局この漫画を読んだわけである。
結論から言うと良い漫画なんだが
そう、結論から言うと、良い漫画なのだ。ラストシーンとか、軽く涙ぐんでしまった。まだ読んでいない人の為にあらすじを紹介すると、
「世界が無茶苦茶になることを望む」少女が、悪魔を召喚するが、悪魔にその願いを告げると「友達いないだろお前」と言われ、友達を作ることが出来たなら「世界を無茶苦茶にしてやろう」と契約するというお話なのである。
もう、刺さる刺さる。穴だらけである。そして、その各所にちりばめてある時事ネタジョークが可笑しくて可笑しくて、そして、友達がいないことを正当化し、少数派であることを誇りにすら思っている少女に対して、悪魔が吐く正論、そして正論。
もう、刺さりすぎて、というより刺され過ぎて、完全に息も絶え絶えになってしまった訳である。
「お前の携帯のメールボックスと通話履歴を見せてみろと言っている」と言う悪魔の台詞を聞いて、即座に自分の携帯電話を鞄に隠した程である。
勿論、そういった特殊な親近感を覚える人間でなくともこの作品を楽しめるだろう。むしろそっちの方が、やけにグサグサと嫌なところに刺さらずに済むので楽しめるだろう。そして俺も、この作品を読んで少なからず楽しみ、そして、ラストのシーンではある意味「人生観が変わった」とも言えるだろう。大げさな言葉かもしれないけれど、小さな所では、若干、変わったかもしれないと思えたわけである。
そして、今日「この漫画の感想をブログに書くかなー」などと思い始めてしまったわけである。
「あ、ブログやっぱり書くの? お題用意してたわ!」
むききききききぃー!!!
俺はブログを書こうと、はてなブログの「記事を書く」ボタンを押して激怒した。怒り来ることになった。何故か? 何故だろうか? それはこれのせいである。
「あ、やっぱり俺のシナリオ通りブログ書くんだ。この漫画で。お題用意しておいたから使えば?」と言わんばかりのこれはなんだ?
た、確かに俺の人生にはかなりの影響があったと思う。友達がいないのはダメだ。大衆に迎合できないからと言って世界を滅亡させるような小説を書いていくのは健全じゃ無い。ツイッターで延々と独り言を呟くのは良くない。もの凄く反省したし、俺の人生に影響を与えただろう。だがな、だがそれでもな。
こういう、あらかじめ書くのわかってましたみたいなの嫌いなんだよおおおおおお!!!(絶叫)
……。
そう、それでも俺は書いたわけである。だって、漫画実際面白かったし、心からこの漫画を紹介するブログを書きたいって思ったし、それに友達も作りたいって思ったもん。思ったんだもん。だから結局は書いた。
そして、書かなかったことにより、どれだけ再び伏線を張り巡らされるかと考えたら、考えるだけで気が滅入るので、さっさと本能の赴くまでに書くことにしたわけである。実際、漫画の紹介は半分も出来ていないが、まあ良いだろう。
ともかく、俺は自由意志でこの漫画が良いと思い、この記事を書いたわけである。書いていたわけである。
すると、記事を書くのが若干もたったせいかTwitterでDMが飛んでくるわけである。「今週のお題『人生に影響を与えた一冊』ですけど、何か書かないんですか?」と。
もーーーー!!! いい加減にしてくれ!!!
良い本が素直に紹介できなくなるだろう!!
書いてますよ!! 今書いてるんですよ!! 超面白かったですよ!!
そして、友達も作るからもうやめてくださいよ!!
そう、俺は執拗な嫌がらせを続ける運命の神とやらにこういってやりたいのだ。
「この悪魔!!」と。
やたら震えた声にはなるかもしれないが言ってやりたいのだ。
きっと、そうだと答えるに違いないが。
では、失敬。
それでも世界を崩すなら (少年チャンピオンコミックス・タップ!)
- 作者: 陸野二二夫
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2015/08/07
- メディア: Kindle版
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(この漫画は良い漫画です。友達がいない人。少ない人は読んでみると吐血必至です。もしもキミも同じような境遇に陥っているのだとしても、気にせず読むべきです。あと、俺もスタンプカード欲しいです)